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畳のダニはこれで退治!除去方法や根本的な解決策を教えます

2022.10.01

畳は布団やカーペット、クッションなどと並んでダニが発生しやすい場所のひとつとされています。
実際にダニの被害に悩んでいる方も少なくないため、畳をダニから守るための予防策や対処法は知っておいて損はありません。

畳をダニから守るには、部屋の環境を清潔に保つ必要があります。
つまり、掃除や予防が欠かせないということ。
今回は、畳のダニ対策について、詳しく解説していきます。
畳にダニを発生させないための根本的な解決策も含めてご紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

畳にダニが発生する原因は何?

ダニといえば畳というイメージがあるかもしれませんが、カーペットや布団、ソファーなど、家の中のさまざまな場所にダニは発生します。
ダニにとって快適な環境は温度が20~30度で、湿度が60%程度と言われています。
さらに、ほこりや食べかす、髪の毛や垢などの人体から発生するものもダニのエサとなるため、繁殖の原因になります。

こういった原因を作らないことが、ダニの発生を防ぐことになります。

ダニの予防&駆除方法

畳にダニが発生しないようにするための最も単純な対策は「こまめに掃除をすること」です。
例えば、畳の上に布団を敷き続けたり、カーペットを置き続けたりすると畳との隙間に湿気がこもりやすく、ダニにとって快適な空間ができやすくなります。
そのため、

といったことに気を付けるだけで、ダニの発生を予防できます。
ただし、それだけではダニの発生を完全に防ぐことは難しいので、日々の予防と対策についてご紹介します。

■ 毎日掃除機をかける

掃除機を毎日かけることで清潔で快適な空間を保つことができます。
ダニはホコリや食べかす、髪の毛やフケ、垢などを好むため、こまめに取り除くことが繁殖を防ぐ効果的な対策になります。
さらに、ダニが発生した場合もこまめに掃除をすることでダニを吸い取り、少しずつ数を減らすことも可能です。

掃除機を使う場合は下記のことを意識しましょう。

もし、発生したダニを掃除機で吸い取ることを目的にしている場合、掃除の前に部屋を暗くしておくことも効果的です。
ダニは暗い場所に集まるので、明るい部屋では畳の奥まで逃げてしまいます。
部屋を暗くすることで、畳の表面におびき寄せることができます。

■ 定期的に拭き掃除をする

畳は水に弱いので、拭き掃除をする場合かたく絞った雑巾を使いましょう。
また、雑巾をかける前に掃除機で表面をキレイにしておくのもポイントです。
雑巾がけをする場合は下記のことを意識しましょう。

雑巾がけをすることで、畳に発生したダニを除去したり、掃除機では取れなかったホコリやゴミなどを除去できます。
しかし、水気が残るとダニを繁殖させる原因にもなってしまうため、拭いた後はしっかり乾燥させるように注意してください。

■ 定期的に換気する

ダニが繁殖する原因は湿度の高い環境にもあります。
そのため、部屋を定期的に換気し、ある程度乾燥した状態を保っておくのもひとつの方法です。
また、知らず知らずのうちに湿度を上げる行動をとっていることもあります。
例えば、下記のようなことをしている場合は注意が必要です。

和室がお風呂に近い場合、入浴後にドアを開けっぱなしにしていると空気の循環で湿度が上がることもあります。
畳には吸湿効果があるので一定の環境であれば問題ありませんが、湿度が上がり過ぎるとダニが発生する原因となるので注意が必要です。

■ 畳を干して乾燥させる

かなりの重労働になりますが、畳を一度めくり、干して乾燥させるのも効果的です。
風通しが良く、乾燥した場所にしばらく置いておくだけでダニを駆除することが可能です。

掃除機で畳の下のホコリやゴミを掃除したり、掃き掃除、拭き掃除ではできない、畳の奥までダニの駆除ができるため、繁殖してしまったダニの除去にはかなり効果的です。
ただし、日に当てすぎると畳の日焼けや変色に繋がってしまうため、直射日光を当てないように注意しましょう。

■ 布団乾燥機を使う

畳をめくって干すのはハードルが高く、アパートの和室などではスペースの関係で難しいこともあります。
そういった場合は布団乾燥機を使って乾燥させるのもひとつの方法です。

畳の上にシートタイプの布団乾燥機を置き、60度以上で使用すればOK。
布団乾燥機によってダニモードがある場合はダニモードを使用しましょう。
シートがないタイプの布団乾燥機の場合、上に布団やシートを乗せておけば同じように使うことが可能です。

■ ダニの駆除グッズを使用する
定期的な掃除や天日干しでもダニが退治できない場合、もしくはアパートの一室などで天日干しが難しい場合には、ダニの駆除グッズを使用するのもおすすめです。
ダニ退治に効くスプレーや畳に針を刺して注入するタイプ、煙や蒸気で部屋の害虫を駆除するものなど、さまざまなグッズが販売されています。

グッズはホームセンターやドラッグストア、インターネットなどでも販売しているので、手っ取り早く対処したい場合は試してみましょう。
ものによっては小さいお子様やペットに影響を及ぼす可能性があるので注意してください。

■ 業者に依頼する
いろいろ試してみても解決しない場合は専門業者に依頼するのも一つの手段です。
原因が畳だと思っていたら違っていたということもあるため、根本的に解決するなら専門家に依頼した方が安心です。

赤ちゃんやペットへの悪影響のことを考え、できるだけ速やかに解決したいという方は、プロに依頼した方がスピーディーに問題を解決できます。

畳の交換でダニの発生を根本的に解決できる?


ダニの対策についてここまで詳しく解説してきましたが、最近では根本的な解決法として「畳を交換する」だけでダニの発生を根本的に解決できます。
「畳を交換しただけではまたすぐにダニが発生してしまうのでは?」
と思うかもしれませんが、実は最近の畳は構造的にダニが発生しにくくなっています。
そのため、畳のダニでお悩みの場合、交換するのが最も根本的で手っ取り早い解決法になるかもしれません。

■ ダニが発生する畳は藁床を使用している
ひと昔前の畳には、い草を使った畳表と、藁を使った床(土台)で構成されていました。
い草も藁も湿気に弱く、湿度が上がるとダニが発生しやすい環境になります。
さらに、畳床は5センチ程度の厚さがあり、一度発生してしまうと表面に出てこないと駆除しにくい状況になってしまいます。

■ 最近の畳は藁床を使用していない

近年は、住宅事情の変化や藁の生産量が減少してきたこともあり、木材チップの圧縮板や発泡スチロールなどを使用し、藁と同じようなクッション性を保ちつつ軽い建材畳が普及しています。
さらに、表面もい草ではなく和紙やポリプロピレンなどの樹脂を使用したものが多くなっています。
こういった畳に交換すれば、それだけでダニが発生しなくなります。

ダニに強い畳をご紹介

最近の畳は床に藁を使用していないことが分かったけれど、表面にい草を使っていたら結局同じなのでは?
と、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、最近の畳はい草の代わりとなる素材を使っているものも多くあります。
そこで、畳メーカーのい草を使っていない畳についてご紹介します。

ダイケンの和紙畳
和紙畳とは、こより状に巻いた和紙を樹脂でコーティングし、1本1本をい草のように使用した畳のこと。
湿気によって起こるダニやカビ発生をはじめ、い草のデメリットを克服するために考えられた畳で、い草に比べ、カビの発生、ダニの増殖がいずれも大幅に改善されています。
調湿効果こそないものの、最近では加湿器や除湿器など、フローリングの環境に合わせて空調を整える機械を設置している家庭も多く、不便を感じない方が多いかもしれません。
さらに、和紙畳は畳のカラーや縁のデザインなども自由に選べるため、和室を自分達の好みに合わせて彩ることが可能です。

また、和紙と聞くと水に弱そうなイメージがありますが、樹脂でコーティングしているため水に強く、何かをこぼしてもお手入れが簡単です。
さらに、色褪せにくく床暖房にも対応しているため、畳でありながらフローリングのような感覚で使用可能です。

セキスイのMIGUSA
セキスイの「MIGUSA」は、耐久性に優れるポリプロピレンと吸湿性炭酸カルシウムをバランスよく配合した繊維。
調湿効果を持たせ、繊維の内部に空気層を持たせることでい草とおなじようなクッション性を実現。
手入れが簡単でい草に比べて丈夫で長持ち。カビやダニの発生を抑えつつ、水や汚れにも強い畳となっています。
和紙畳と同様、カラーバリエーションや縁のデザインなども自由に選べるため、い草の畳に比べて幅広い色で部屋を彩ることが可能です。

また、MIGUSAはい草に比べて色褪せにくい特徴を持っています。
例えば、新品のい草の畳を敷いた場合、2年程度経過するとい草は色褪せて変色してしまいます。
その点、MIGUSAで同じような色の畳を敷いた場合、経年変化が少なく、2年経過しても変わらず淡いグリーンを保つことができるため、いつでも新品のい草畳を敷いているような雰囲気を保てます。

ダニの発生は畳ではないかも?

もし、ダニの発生にお悩みで藁床ではない、和紙や繊維の畳を使用している場合、原因は畳ではない可能性が高いです。
それなのに「ダニの発生=畳」というイメージが強こともあって、畳を乾燥させたり外干ししたりしても、根本的な問題が解決されない可能性が高いです。
そのため、まずはダニの発生源が本当に畳なのかも含めて調査が必要です。

もちろん、最新の畳を使用しているからといって「ダニが発生しないから掃除をしなくて良い」ということではありません。
畳を長持ちさせる、快適な生活を送るといった意味でも、掃除や換気はこまめに行うようにしてください。

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●このブログは私が書きました

川田 敦

一級畳制作技能士 川田 敦

畳職人として22年。
祖父の代から続く畳店で育ち、幼少期から畳がそばにある生活を送ってきました。28歳で畳店を継ぐことを決意。一級畳制作技能士の資格持ち、玉藻公園披雲閣など、文化財の畳工事から、一般住宅や賃貸住宅の畳工事まで幅広い仕事の経験を持っています。

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