川田畳製作所

blogブログ

畳ベッドの畳は張り替え・新調可能?畳屋が徹底解説します

2023.10.23

畳ベッドの表替えや畳の張り替えのご依頼をいただくことがあります。
畳ベッド自体はネット通販や家具屋さんなどで購入可能ですが、畳の交換をしたい時は畳屋に依頼した方がスムーズです。
ただ、商品によって張り替えの金額が異なったり、場合によっては張り替えができなかったりすることも少なくありません。

今回は、畳ベッドを購入する際の注意点や、畳ベッドの相場、畳ベッドの畳の張り替えなどについて解説していきます。
「どれでも同じ」と思って購入した結果、畳の張り替えができなかった」
といったことにならないよう、商品選びには注意しましょう。

畳ベッドとは?


すでにご存知の方も多いと思いますが、畳ベッドとはマットレス部分に畳を使ったベッドのこと。
硬過ぎず柔らか過ぎない畳はマットレスに比べて寝返りをうちやすく、腰痛対策に良いと言われています。
また、い草の畳には吸湿効果やリラックス効果もあるため、寝る時はベッドではなく畳の方が合っていると感じている方も少なくありません。

畳ベッドは、一段高い、寝床専用のスペースを確保できるベッドと「寝る時は畳が良い」という畳派の需要を叶えられるアイテムです。
現在、シングルからダブルまで、通常のベッドと同様にさまざまなサイズがあるほか、収納付きやコンセント付きのベッドタイプから、普段はベッドではなく小上がりとして使えるものまで種類も豊富です。

畳ベッドの相場はどれくらい?

畳ベッドの金額は、30,000円〜50,000円程度のものが多く販売されています。
また、商品によって1万円程度のものもあり、できるだけ安く購入したいというユーザーでも購入できる商品もあります。
機能や品質にこだわりたいという方には、50,000円を超える高額な商品ももちろんあります。
そのため、まずは目的・用途も含めて商品を選ぶ必要がありそうです。

畳ベッドの機能は盛りだくさん


畳ベッドもマットレスが畳になっているだけで、それ以外はベッドと同じです。
そのため、さまざまなオプションを追加することが可能です。
下記は畳ベッドに追加できる機能です。
追加すると金額は高くなりますが、その分デッドスペースの有効活用にも繋がるので、目的や用途に合わせて追加しましょう。

畳下収納

畳をめくるとその下が収納になっている畳下収納タイプ。
出し入れに少し手間がかかりますが、仕切りがない分大きいものや長いものなど、さまざまなアイテムの収納が可能です。

引き出し収納

ベッドの側面を引き出しにした引き出し収納タイプ。
畳下収納のデメリットだった「出し入れに手間がかかる」部分を解消することで、いつでも簡単に物を取り出すことが可能です。
一方で、収納をふたつに分けるケースが多く、畳下収納のように長いものや大きい物は入らない場合がほとんどです。

ヘッド付きorヘッドレス

ベッドのヘッド部分に棚やコンセントをつけるヘッド付きタイプと、まったく何もつけないヘッドレスタイプ。
どちらを選ぶかは好みによっても分かれますが、ヘッドレスタイプを好む方の特徴としては、
「ベッドは寝るためだけに使うため、棚が必要ない」
「見た目をスッキリさせたい」
「できるだけコンパクトにしたい」
などがあります。

一方で、ヘッド付きタイプを好む方の特徴は
「目覚まし時計やスマホなどを置くスペースがほしい」
「寝る前に本を読むので収納やライトがほしい」
などがあります。

どちらを選ぶかは好みによって異なるため、自分がどちらのタイプかも考えて選びましょう。

コンセント付き

ヘッドに設置した棚の部分にコンセントの口が付いているタイプです。
スマホの充電やベッドライト、加湿器などの充電が手軽にできるため便利です。

小上がり

畳ベッドの畳の部分を大きくし、ベッドを小上がりのように見せるタイプ。
ただ寝るためだけでなく、畳の上で本を読むなど、ちょっとした時間を過ごしたいという方におすすめです。

畳ベッドの寿命は3年〜5年


畳ベッドは、マットレス部分に畳を使用しており、寿命は3〜5年程度です。
マットレスのようにまったく使えなくなってしまうというわけではなく、表面に傷が入ったり、擦り切れたりしてしまって畳の機能が少しずつ低下してしまいます。
通常の畳であれば、ここで畳表をひっくり返して使う「裏返し」を行います。
通常の畳を使った畳ベッドであれば、同じように裏返しをすることでさらに3〜5年畳を使用できます。

裏返しや表替えができない場合もあり

畳の交換をする際、使用している畳やベッドの構造によって裏返しや表替えが難しい場合があります。
例えば、市販のユニット畳のように、畳面を接着剤などでくっつけている場合、裏返しをしようにも畳表と畳床がくっついてしまっており、交換できません。
さらに、畳ごと取り替えようとした際、畳自体がベッドとくっついてしまっている場合。
これも、畳表の交換に畳を剥がす必要があるため対応できない可能性があります。

畳の場合は畳面と畳床を縫い合わせているかどうかをチェックしましょう。
縫い合わせていない場合は接着剤でくっつけている可能性大なので注意が必要です。

もし、長期的に畳の交換まで考えて畳ベッドを選びたいという場合、畳を交換できるかどうかで費用も変わってきます。
安い畳を買って毎回新調するのもひとつの方法ですし、将来的に長く使っていきたい場合は裏返しや表替えをしながらひとつの畳を使い続けるのも賢い選択なので、好みに合わせてチョイスしましょう。

畳ベッドのサイズに注意

ベッドのサイズは畳と大きさが異なるため、ベッドの畳を特注で作っている可能性があります。
一方で、畳屋の畳は住宅のサイズに合わせて作っているため、ピッタリサイズで新調できない可能性があります。

畳一畳で、最も大きい「京間」が95.5cm×191cm。
そのため、畳屋にある機械や畳表のサイズなどは、京間を基準に作られています。
ベッドのシングルは一般的に横幅97cm × 長さ195cmとなっていますが、特に規定はないため100cm×200cmの畳を作って入れることも考えられます。
この場合、畳屋の機械では大きさが足りないため、1枚の畳ではなく2枚の畳を並べて配置することになります。
サイズや枚数、金額のことなども含め、一度相談してみることをおすすめします。

ベッド用畳の新調。張り替えの費用は


畳の張り替え費用は、表替えでおよそ5,000円〜20,000円程度。
新調となると10,000円〜35,000円。
畳ベッドの畳が2枚になる場合、料金も同じく2倍になる可能性があるため、サイズと料金については事前に確認しておくことをおすすめします。

畳ベッドの布団は敷きっぱなしにしない

通常、ベッドの布団は敷きっぱなしにしていることがほとんどですが、畳の上に敷いた布団は毎日片付けているという方がほとんど。
では、畳ベッドの場合は敷きっぱなしにしていても問題ないかということですが、結論からお伝えするとNOです。
畳ベッドの布団は毎日敷いて、片付けることをおすすめします。

ダニやカビの発生に注意

い草の畳の上にカーペットや布団などを敷きっぱなしにしていた結果、ダニが大量発生したり、カビがはえてしまったりすることがあります。
これは、い草の畳が布団やカーペットとの間で密閉され、じめじめした環境で放置されてしまった結果ダニやカビの発生しやすい環境が出来上がってしまうために起こります。
そのため、畳ベッドを使用する場合は寝床以外使用しないからといって布団を敷きっぱなしにしてしまうと同じような環境ができやすく、ダニやカビが大量発生してしまう原因にもなりかねません。

防ぐためには、毎日布団をしまうことや、こまめに掃除をすること、しっかりと換気をし、湿気の多い状況を作らないことが必要です。

畳表にい草の畳を使わない方法もある


近年、畳の素材に和紙や樹脂などを選ぶ人が増えており、ひと昔前までい草ばかりだった畳に変化をもたらしています。
い草の畳に比べて少し金額の高い和紙畳・樹脂畳は、豊富なカラーバリエーションや、ダニ・カビが発生しにくい点、時間の経過によって変色しにくい点など、さまざまなメリットがあります。
そのため、
「おしゃれな畳で部屋の雰囲気を変えたい」
「ダニやカビの発生しにくい畳を使いたい」
などの理由から少し割高でもい草より使いやすく、和室であれば、表替えや新調のタイミングでい草の畳から和紙畳・樹脂畳を使用する方が増えています。

張り替えを畳屋にお願いするメリット

畳の張り替えといえば真っ先に考えつくのはおそらく畳屋さんではないかと思います。
他には、ホームセンターで畳を買ってきて自分で作業をしたり、購入したお店に依頼して畳だけ交換してもらったりといった方法も考えられます。
ただし、ホームセンターで畳を買ってくる場合、市販されている畳は一般的なサイズを半分にしたユニット畳がほとんど。
ベッドのサイズによってベッドの方が大きすぎてスカスカになってしまったり、畳の方が大きくてはまらないといったことが起きやすくなります。
購入したメーカーに畳の交換をお願いする場合、サイズの心配はありませんが、そもそも交換を受け付けているかどうかという問題があります。
購入時に畳のメンテナンスなども受け付けているかを事前に確認しておくとスムーズです。

一番はベッドの畳の新調や張り替えを畳屋に依頼することです。
表替えであれば、早ければ依頼した数日後には作業が完了するので安心です。
その他、い草の畳表を使用する場合でも、よほど高級な畳を使用した商品と明言されていない限り、外国産の安いい草を使用している場合がほとんど。
い草の品質が悪く、畳が傷つきやすい可能性が高いです。
さらに、和紙系・樹脂系の畳への変更など、柔軟な対応もできないため「畳屋にお願いしておけばもっと安くて良い畳にできた」といった可能性も少なくありません。

もちろん、「畳の品質は問わないので規定のサイズ通りに1枚で仕上げてほしい」といった要望がある場合、冒頭でもお伝えした通り畳屋では京間以上のサイズで畳を作ることは難しいため受けることが難しいです。
まずは金額を重視するのか、見た目を重視するのかなど、どこにこだわりたいのかを考えた上でどこに依頼するかを決めましょう。

畳ベッドの畳は川田畳製作所へ

畳ベッドの畳を張り替えるなら、まずは畳の張り替えが可能かどうかからチェックする必要があります。
畳の張り替えができるベッドであれば、どんな畳にしたいのかを考えましょう。

「畳の色を変えて部屋のイメチェンをしたい」
といった方や
「どんな畳があるのか分からないのでとりあえず相談したい」
といった方は、畳屋への依頼がおすすめです。
どういった畳があるのか、どういった色が合うのかなどをご予算に合わせてご提案致します。
まずはお気軽にご相談ください。

川田畳製作所へのご相談はこちら >

関連情報

畳のお手入れの基本。正しい掃除方法を覚えて畳を長持ちさせましょう

畳のお手入れの基本。正しい掃除方法を覚えて畳を長持ちさせましょう

●このブログは私が書きました

川田 敦

一級畳制作技能士 川田 敦

畳職人として22年。
祖父の代から続く畳店で育ち、幼少期から畳がそばにある生活を送ってきました。28歳で畳店を継ぐことを決意。一級畳制作技能士の資格持ち、玉藻公園披雲閣など、文化財の畳工事から、一般住宅や賃貸住宅の畳工事まで幅広い仕事の経験を持っています。

一覧へ戻る

お問い合わせ

0120-31-4458

受付 7:00~18:00
平日お忙しい方、土・日・祝日もご注文承ります

©2021 有限会社川田畳製作所. All Rights Reserved.