畳の表面が痛んだり日焼けしてきたりすると、そろそろメンテナンスのタイミング。
「キレイな状態に戻すには買い換えるしかないの?」
と、疑問に思っている方も少なくないはずです。
実は、畳の張り替えには大きく分けて「新調」「裏返し」「表替え」の3種類があります。
その中でも表替えは畳表を新しいものに取り替えるメンテナンス方法。
比較的安価に、なおかつ新品に近い状態でメンテナンスができる点が大きな特徴です。
では、表替えとは新調や裏返しと何が違うのか、どれくらいのタイミングを目安に依頼すれば良いのかなど、気になる点も含めて詳しく解説いたします。
畳のメンテナンスの前に、まずは畳の構造について簡単に解説します。
畳は主に、畳床、畳表、畳縁の3つに分かれます。
それぞれに違った役割があるため、畳表、畳床、畳縁がどういった役割を果たしているのかを知っておきましょう。
畳表はイグサの茎を折り合わせて作った上敷きのこと。
イメージとしては、畳床の上にイグサで作ったござを敷いているようなイメージです。
イグサは吸湿性に優れていて、湿度の高い時は空気中の水分を吸収し、乾燥時には水分を放出するため、部屋の湿度をある程度調節してくれる特徴があります。
昨今ではフローリングの床が主流になりつつありますが、畳の方が夏は湿度が高く、冬は乾燥する日本の気候風土にピッタリの素材と言えます。
その上、空気の清浄作用や香りによるリラクゼーション効果も備わっており、多くの機能を有しています。
イグサのような湿度の調整効果はありませんが、最近では耐久性に優れた和紙や化学繊維を使った畳表も登場しています。
畳床は畳の土台となっている部分。
転んだ時や物を落とした時にショックを吸収する弾力に加え、吸湿性、保温性、断熱性などに優れています。
昔はすべてワラを使っていましたが、最近ではポリスチレンフォームやタタミボードなど、さまざまな素材が使用されています。
畳縁は畳の側面に縫い付けてある模様のついた生地のことで、主に畳表と畳床をつなぎ止める役割を担っています。
最近ではさまざまな色や模様の畳縁があり、お部屋の雰囲気に合わせてお選びいただくことも可能です。
また、琉球畳をはじめ、畳縁を使わない畳も多く採用されています。
畳のメンテナンスには、新調、裏返し、表替えの三種類があります。
畳の表面はだいたい2〜3年程度で色褪せたり痛んだりするので、そのタイミングで新調するのか、裏返し、表替えにするのかなど、メンテナンス方法を検討する必要があります。
といっても、知識がなければどれを選択すれば良いのか迷いますよね?
そこで、それぞれの意味とタイミングをご紹介します。
畳の裏返しとは、畳縁をはがし、畳を一度分解した上で畳表の裏表をひっくり返すことを言います。
目安は2〜3年程度。最も安価なメンテナンス方法です。
畳表はござと同じで裏と表が分かれていないため、ひっくり返してもそのまま使えます。
新品の畳はずっと同じ面を使い続けているのと同じなので、表側に汚れやキズ、日焼けなどができても、裏返すと新品に近い状態で使うことができます。
畳の表替えとは、畳表を新しいものに取り替えることです。
目安は4〜5年程度。新品への交換に比べると安価で、なおかつ新品に近い状態で交換が可能です。
新しい畳表を一度裏返しをするなどし、ある程度使い続けた畳の簡易的なリニューアルになります。
畳床はそのまま使い、畳表と畳縁を新しいものに交換するのが一般的で、交換するとイグサの香りがお部屋に広がります。
畳の新調とは、古い畳を新しい畳に取り替えること。
目安は10年程度で、裏返し→表替え→裏返し→新調くらいのペースになります。
部分的ではなく、全て新しい畳に取り替えるため費用は最もかかりますが、その分イグサの香りが広がる空間と高いクッション性を持つ新品の畳になります。
畳は消耗品のため、長く使えば痛んでしまいますが日々の手入れの方法によって長持ちさせることも可能です。
ここでは、畳を長持ちさせるためのポイントをいくつかご紹介いたします。
湿度の調整をしてくれる畳ですが、湿気の多い場所にずっと置いておくと痛みやすくなります。
そのため、こまめに換気を行うだけでも長持ちさせることが可能になります。
また、掃除の際にもできれば乾拭き、濡れた雑巾を使用する際にも固く絞って使うと良いでしょう。
掃除機や雑巾掛けなどを、畳の目に沿ってゆっくりとするだけでも畳が傷つきにくくなります。
畳は植物なので、擦り切れたりササクレができたりするとその部分から痛みが広がりやすくなるため、できるだけ傷つかないように取り扱うことで長持ちさせることができます。
畳の上に絨毯やカーペットなどを敷く方もいらっしゃいますが、これも畳の寿命を短くしてしまいます。
絨毯やカーペットを敷くことで風通しが悪くなり、湿度を調整することができなくなります。
さらに、絨毯やカーペットのダニが畳にも侵入するため、最悪の場合畳床に加え、畳下の床にまでダメージを与えてしまいます。
いかがでしたか?
畳はフローリングにはない魅力を持っている反面、汚れや湿度などに弱く、定期的な手入れも必要となってきます。
もし、畳に関することでお困りのことがあれば、川田畳までお気軽にお問い合わせください。
香川県内であれば離島にも出張し、対応させていただきます。