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初めての人は要注意!「畳を変えたい」ならまずは何をすべき?相場は?

2024.06.02

畳はフローリングと違ってずっと使える床材ではありません。
変色したり、劣化したり、ささくれや穴ができたり、さまざまな理由で新調した時からどんどん状態が変化していきます。
そのため、どこかで「畳を変えたい」と思うタイミングが訪れるはず。

とは言え、手間も費用もかかるため、簡単に「それなら今からやろうか」とはなりません。
また、よく分からないまま進めてしまうと払わなくても良い費用が発生する可能性もあります。
そのため、まずは何をすべきなのか、誰にお願いすべきなのかなど、事前にチェックしておきましょう。

まずは誰に相談するかを考えよう


特に畳の交換が初めての場合、絶対に知っておかなければならないのは交換方法が3種類あること。
「表面が色褪せてきた」
「汚れが気になってきた」
といった場合、畳ごと交換するのではなく、表側のござをひっくり返すだけで新品と同じような状態に戻ります。
これは「裏返し」と呼ばれていて、価格も新調するよりはるかに安く、作業もその日のうちに終わります。
そのため、初めての畳交換の場合、最寄りの畳店に連絡するのがおすすめです。

2回目以降も新しくするのはちょっと待って

最初の畳の交換時期は、使用頻度や劣化状況にもよりますが、だいたい3年〜5年程度で訪れるのが一般的。
その時は「裏返し」で対応しますが、そこからさらに3〜5年程度経つと、畳のゴザ部分だけを交換し、土台となっている畳床はそのまま使うのが一般的。
これを「表替え」と呼んでいて、畳は「裏返し」→「表替え」→「裏返し」と繰り返し、4回目にすべてを交換するのが一般的なサイクルとなっています。
3年〜5年程度で畳の表面となるござを裏返したり交換するため、1枚の寿命は10〜15年程度となります。

畳の交換については下記ブログで詳しく説明しているのでぜひチェックしてください。

畳の表替えとは?裏返し、新調との違いについて畳屋さんが詳しく解説

なぜ畳を変えたいのかによって状況が異なる


上記はあくまでも一般的な畳の交換であり、「畳にカビが生えた」「ダニが発生した」など、単純な汚れや破損ではない交換もあります。
そのため、初めての畳の張り替えでも状況に応じて対応が変わってくる場合があります。
下表も参考にしながら検討してみましょう。

汚れ、色褪せ、擦り傷などが気になってきた


交換理由として、最も一般的なのは汚れや劣化など。
汚れや色褪せなどの表面的なものは、ひっくり返してしまえば問題なく使えることがほとんど。
机の足などを擦って表面が傷ついてしまったという場合でも、畳を裏返せば元のキレイな状態に戻ります。
大事に使っている畳でも年数が経てば色褪せてきますし、汚れたり擦り切れたりした畳を新品同様の状態で使えるのは畳ならではです。

ただし、穴が空いて貫通してしまっていたり、カッターナイフなどの刃物で切れてしまったりした場合は要注意。
シミがある場合は浸透して裏までシミになっていることもあります。
また、切り傷は特に、貫通していなくても亀裂部分から穴が空いてしまう可能性が高いです。
どちらも裏返しができない可能性が高いため、気になる場合は畳屋さんに相談してみることをおすすめします。

畳の色を変えて部屋の雰囲気を変化させたい


い草の畳は年数が経つと変色していきます。
新調したばかりの時はきれいな薄緑色をしていますが、少しずつ小麦色に変色し、さらに年数が経つと黒ずんできます。
変色した畳の色を変えたいという場合も、裏返しや表替えで対応するのが一般的です。
ただ、「ずっと新調したばかりの淡い緑色にならないか」といったご要望もあります。

その場合、和紙、樹脂などの畳に交換するかのいずれかになります。

畳表を色付きにする場合

畳表を色付きのものに交換する場合、和紙や樹脂など、い草に代わる素材を使用すれば塗料を塗るより幅広い色に対応でき、ムラのない、綺麗な色の畳を長期間利用することが可能です。
和紙や樹脂などの素材はい草の畳の特徴である調湿効果や消臭効果を持ってはいませんが、い草に比べて丈夫で長持ちするメリットもあります。
新調のタイミングであれば畳床も健在床を使ったものに交換するのがおすすめですが、表替えのタイミングでも、藁床に和紙や樹脂の畳面を使用することは可能です。

カビやダニ、シロアリが発生した


カビやダニが発生した場合、その程度にもよりますが、多くの場合畳ごと交換する必要があります。
特に、ダニの被害は1枚だけというケースは少なく、下手に数枚だけ交換してしまうと、交換しなかった畳にダニが残っていた場合、新しい畳を侵食してしまう可能性があります。
そのため、部屋全体の畳をすべて交換する必要があります。

また、ダニ、シロアリなどの場合、畳だけの問題ではない可能性があります。
例えば、部屋に置いてあるソファやクッションにダニが発生している場合や、家の柱がシロアリに侵食されている場合などです。
この場合、根本的な問題を解決しない限り畳を変えてもまた同じことが起きる可能性が高いため、専門業者に依頼する必要があります。

カビやダニ、シロアリについては、発生してしまってからだと畳をすべて交換しなければならない可能性が高いです。
日々の掃除や換気などをきっちりしておけば、被害を受ける可能性をグッと減らすことができるので、こまめに掃除をすることをおすすめします。

畳の掃除方法については下記記事も参考にしてください。

畳掃除のコツは?正しいほうきの使い方や使用厳禁のアイテムなどを紹介

畳の張り替えは誰にお願いする?


畳の張り替えはもちろん「川田畳製作所」にお願いしましょう。
と、言いたいところですが、一般的には「最寄りの畳店」にお願いするのが最も賢い選択肢と言えます。
ホームセンターや家を建てた工務店でもお願いすれば受けてくれますが、最終的に専門店に依頼する流れとなります。
最初の時点で選べる素材などの選択肢が限られてしまう可能性があるほか、得られる回答も専門店の方が明確です。
金額も工務店の方が安価になることは少ないので、直接専門店に依頼した方が安心できます。

「最寄り」の畳店を選ぶ理由は、畳の張り替えは直接ご自宅にうかがった上で持ち帰って対応する必要があるからです。
近所の畳店であればすぐに駆けつけられるところを、高速道路を使って1時間かかるお宅まで訪問する場合はその分の交通費もいただくことになります。
「ご理解いただいた上で、それでもお願いしたい」というありがたいお言葉をいただける場合、もちろんお断りはしませんが、費用も時間も余分にかかってしまいます。

費用を確認したらホームセンターの方が安いけど?

「畳の張り替え費用を確認したらホームセンターの方が断然安かった」というお話をいただくことがあります。
そう言う場合、畳店の価格設定にもよるので一概には言えませんが、畳に使うい草に中国産のものが使われている可能性が高いです。

国産のい草に比べて中国産のい草の方がかなり安いため、6畳や8畳など、まとまった量の張り替えになるとそれなりの金額差が出てきます。
金額を比較したい場合、まずはい草の素材を同等のものにした上で見積もりを取ることをおすすめします。
また「これくらいの予算を考えている」「できる限り安く仕上げたい」といったご相談をいただければ、ご要望も加味しながら金額に応じたご提案も可能です。

ホームセンターを利用するメリットは?

ご自身がよくホームセンターを利用している場合は、ホームセンターの方がお得なケースももちろんあります。
例えば、ホームセンターによっては、畳の交換でもポイントがもらえる場合もあります。
ある程度まとまった買い物になるため、その分次に購入する際に使えるポイントもアップします。
畳の交換費用が大きく変わらない場合、ポイントがもらえるホームセンターであればそちらの方がお得ということはあるかもしれません。

ホームセンターによっては畳の交換でポイントがもえない場合があるかもしれませんので、お店への確認が必要です。
もらえるようならポイント分も含めて金額を計算し、どちらがお得かを考えてみるのも良いでしょう。

値段の安さばかりを気にすると損をする?


畳の素材であるい草は国産や中国産など、さまざまな産地があり、価格も大きく変わります。
さらに、天然素材以外にも和紙や樹脂をつかったものもあり、選択肢は昔に比べてかなり幅広くなっています。
例えば、中国産のい草の畳であれば日本産のい草に比べ1畳1,000円以上安価に畳の入れ替えができることも少なくありません。
しかし「安かろう悪かろう」といった品質の問題もあり、長い目で見るとコストダウンにつながらない可能性もあります。
そのため、費用や耐用年数の目安も参考にしながら検討しましょう。

中国産のい草はなぜ安いの?

近年、中国産のい草を使用した畳が増えており、価格は国産の畳に比べて3割程度も安いと言われています。
1畳につき1,000円の差が出た場合、6畳であれば素材によっては1枚分の費用が浮くカタチになるので、中国産の畳を選びたくなるのは無理もないでしょう。
安さの理由は大量生産にあり、中国のい草には広い土地で大量に作って安く売るという仕組みが出来上がっています。
さらに、安価な中国産い草の需要が上昇し、全体的ない草の畳需要は減少していることから、国産い草の生産量は下がっています。
そのため、国産い草の価格は価値が上昇しており、この価格差は今後も埋まることはないと考えられます。

長い目で見ると大幅なコストダウンにならない?

実は、中国産のい草は日本に輸出する必要があるため、国産のものにくらべて刈り込み時期が1ヶ月程度早く、乾燥時間も短いです。
そのため、い草の表皮が剥けやすく、手で触って比べてみると固さがあり、耐久性が低いため、耐久性と仕上がりのどちらをとっても国産の方が良いとされています。

仮に、中国産の畳は3年で寿命が来るけれど、国産の畳は4年半だったとなればどうでしょう。
畳は裏表使えるので、6年と9年で単純計算すると国産の畳の方が30%長く使えることになり、30%安い中国産の畳と比べ、トータル費用は同じくらいになります。
同じコストになるのであれば、わざわざ品質の悪い中国産のい草を使うより、品質の良い国産のい草を選んだ方がお得な気がしてきますよね?
もちろん、耐久性についてはあくまでも目安であり、使用状況によっても異なります。

耐久性については和紙や樹脂の畳にも同じことが言えて、価格が高い分耐用年数も長いため、費用と耐久性のバランスから考えると必ずしも中国産のい草が安いとは言い切れなくなります。
加えて、近年の住宅は和室がリビングに併設されているケースも多く、純和風の部屋だとバランスがとりにくいことから畳の色やデザインも変化しています。

畳の張り替え費用については下記記事も参考にしてください。

畳の張替え費用は?相場・素材によるメリット・デメリット

畳の相談ならまずは畳の専門店に相談しよう

畳のことを相談するなら、まずは専門店に相談するのがおすすめです。
「専門店は高い」というイメージがあるかもしれませんが、畳に関しては住宅メーカーやホームセンターに依頼しても最終的に畳の専門店が対応します。
そのため、同じ素材を使って畳を張り替える場合、専門店よりも安くなる可能性は低いです。
費用以外の相談も畳の専門店の方が明確な回答が得られるほか、対応の日にちなども直接交渉ができる分、柔軟な対応が可能です。

川田畳製作所へのご相談はこちら >

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畳の張り替えは何日かかる?畳の新調やメンテナンスの流れや相場についてご紹介

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●このブログは私が書きました

川田 敦

一級畳制作技能士 川田 敦

畳職人として22年。
祖父の代から続く畳店で育ち、幼少期から畳がそばにある生活を送ってきました。28歳で畳店を継ぐことを決意。一級畳制作技能士の資格持ち、玉藻公園披雲閣など、文化財の畳工事から、一般住宅や賃貸住宅の畳工事まで幅広い仕事の経験を持っています。

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