川田畳製作所

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畳掃除のコツは?正しいほうきの使い方や使用厳禁のアイテムなどを紹介

2024.05.01

畳といえば日本の伝統的な床材であり、新築の家にもひとつは和室が設けられているなど、多くの家に取り入れられています。
フローリングの部屋に比べて心が落ち着くということもあって、「フローリングよりも畳の方が好き」という方も、日本人なら少なくないはずです。

一方で、手入れが大変だったり、汚れてしまった時の対処が難しかったり、「維持が大変そう」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
畳の掃除はフローリングと比べて難しいというイメージを持ってしまいがちですが、実はコツさえ押さえておけば思った以上に簡単です。
そこで、この記事では、畳の掃除の正しい手順やコツ、注意点について詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてください。

畳の正しい掃除方法


まずは基本となる畳の正しい掃除方法についてご紹介します。
畳掃除の手順は下記の通り。

掃除機、もしくはほうきを使ってゴミやほこりを取り除く


畳の掃除は掃き掃除が基本。
優しく撫でるように履いて上のゴミやほこりを取り除いていきます。
この時注意するのは畳の目に逆らわないこと。
畳の目に逆らって掃除をしてしまうと、畳を傷つけてしまったり、畳の目にゴミが挟まってしまったりします。

掃除機を使う場合、ほうき以上に畳を傷つけやすいためあまり乱暴に擦らないように注意しましょう。

POINT
畳掃除のポイントは時間をかけてゆっくりと掃除すること。
ほうきや掃除機を何度も往復させたり、力強く押さえつけて動かしたりするのではなく、一定のスピードで優しく動かすことを心がけましょう。
ほうきの場合は小刻みに動かすのもアリ。
1畳につき1分くらいを目安にし、焦らず丁寧にしましょう。

畳と畳の間や縁の隙間に詰まったゴミを掻き出す

畳はフローリングと違って縁に隙間ができます。
その理由は畳を永年使用していると、長さが少し縮むためです。
表替えなど、畳工事をするときに畳屋が隙間を埋める作業をしますが、長さの縮みはやむを得ないことなので、隙間にごみがたまる場合があります。
定期的に畳をめくって乾燥させたり掃除したりしていればある程度キレイになっていますが、梅雨時でも畳を干しているという方は少ないです。

ゴミやほこり、髪の毛や食べ残しのカスなどがたまっている可能性があるので、ほうきで掻き出して掃除機で吸い取るなどして、きれいに掃除しておきまましょう。
大掃除の時は畳をめくって外干しするのもおすすめです。

POINT
隙間に細長い棒を差し込んで掻き出すのは避けましょう。
多くのゴミを取ることはできるものの一緒に畳まで傷つけてしまう可能性が高いです。
目に見えない部分なので多少傷がついても問題ないと思うかもしれませんが、一度傷ついてしまうとそこから傷口が広がってしまうのはよくあること。
そうならないようにほうきを使うなどして優しく掻き出しましょう。

固く絞った雑巾で水拭きする


掃き掃除が終わったら固く絞った雑巾で水拭きします。
畳は湿気に弱いため基本的に水はNGですが、月に1回程度で良いので固く絞った雑巾で表面を水拭きし、表面の汚れを取ってあげるのがおすすめです。
この時も掃き掃除と同じように畳の目に沿って雑巾掛けをするのが汚れをキレイに取って、なおかつ畳を傷つけないようにするコツです。

POINT
水拭きする場合は乾拭きでは取れない汚れを取るため。
水拭きの頻度を上げ過ぎると畳が黒ずんでしまうので、乾拭きで十分な場合は水拭きはしなくてもOKです。
また、拭いた後はしっかりと乾燥させるようにしましょう。
CAUTION
バケツを使う場合は要注意です。
畳の部屋ではなく別の部屋に置くなどしてバケツの水滴が畳に落ちないようにしてください。

乾拭きで水分を拭き取る

最後は乾拭きで仕上げです。
乾拭きは水拭きした際の水分を拭き取るために行いますが、水拭きをしない場合でも、乾拭きはしておくのがおすすめ。
水拭きと乾拭きの組み合わせ、もしくは乾拭きのみの拭き掃除を定期的に行うことで畳の劣化を遅らせることができます。
この場合ももちろん、畳の目に沿って行いましょう。

POINT
水拭き後の乾拭きは湿気を取るための意味もありますが、乾拭きのみの場合、ほうきや掃除機で撮りきれなかった小さなゴミやほこりを取ることが一番の目的。
そのため、雑巾に固執せず、ハンディタイプのほこり取りやワイパーなどを使用するのもおすすめです。

取れにくい汚れのお手入れ


畳の材料となっているい草は植物であるためかなりデリケートな素材と言えます。
そのため、汚れを放置するとカビが生えたりダニが発生したりする可能性もあります。
そうならないためには、日々の掃除はもちろん、ひどい汚れがある時に早めに対処することも重要です。
ケースごとに対応が異なるため、1つひとつチェックしていきましょう。

飲み物をこぼしてしまった時

畳に調味料や飲み物などをこぼしてしまった時はすぐに乾いた布やペーパータオルなどで水気を拭き取ります。
放置するとシミになる上、畳は水の吸収が早いため早めの対処が必要です。

拭き取りが遅れて畳が水分を吸い込んでしまった場合は、湿気を吸い取るために塩や小麦粉など、水分を吸収する効果があるものを振りかける方法もあります。
振りかけたまましばらく放置し、ある程度水分を吸い取ったら歯ブラシなどでこすり取り、掃除機で吸い取ってキレイにします。
歯ブラシは掃除機やほうきと同様、畳の目に沿って動かすようにします。
その後固く絞った濡れタオルで表面を拭き取ります。
最後に乾拭きで水気を取りましょう。

CAUTION
畳はアルカリ性に弱く、重曹などのアルカリ性洗剤を使うと余計にシミができてしまいます。
一度シミができてしまうと取ることは難しいので、洗剤などを使わずに対処するのがおすすめ。
漂白剤などもい草の変色の原因になってしまう可能性があるので使用は避けた方が良いでしょう。

畳にカビが生えた

畳は湿気を吸収しやすく、掃除をせずに放置するとカビが生えてしまう可能性があります。
この場合はエタノールで消毒するのが効果的です。

まずはカビの表面にスプレーでエタノールを吹きかけます。
そのまま20分程度放置し、エタノールを浸透させます。
次に、水分が残らないように乾いたタオルでしっかり拭き取ります。
最後は水気が残らないように乾燥させれば完了です。

CAUTION
一部記事などでカビには重曹が良いと書かれているものがありますが、畳に重曹はNGです。
重曹などのアルカリ性洗剤を使うとカビの対処はできても畳自体にシミができてしまいます。
い草はデリケートなので掃除するための洗剤選びも大切です。

畳にダニが発生した

カビと同様、湿気によって増えるのがダニ。
畳にたまったほこりや髪の毛などを餌とするため、掃除を怠るとエサが増え、ダニが増殖してしまいます。
ダニは乾燥に弱いため、天日干しや布団乾燥機などで60度以上に温めることで駆除できます。
畳の隙間にドライバーなどの細くて硬いものを入れて畳をはがし、日当たりの良い場所で日光に当てましょう。

その間であれば、畳のほこりを掃除機で取ったり、固く絞った雑巾で表面を拭いたりできるほか、床にたまったほこりなども掃除することが可能です。
夏場であればこれで十分乾燥しますが、冬場になると晴れていてもなかなか温度が上がらない可能性もあります。
そのため、寒い時期は布団乾燥機を使って乾燥させることをおすすめします。

やってはいけない畳の掃除方法

天然素材のい草はデリケートな素材のため、間違った掃除方法をしてしまうと痛んだり変色してしまったりする可能性があります。
掃除方法でもいくつか紹介している「やってはいけない方法」や「使ってはいけないもの」など、注意すべきポイントを解説していきます。

水はNG。雑巾掛けに注意


畳は湿気を吸収しやすく、湿気を含むとカビやダニの原因となってしまう可能性が高いため水を扱う時は十分に注意する必要があります。
雑巾掛けは原則として乾拭きのみとし、落ちにくい汚れの時のみ、固く絞った雑巾で水拭きします。
水拭きした後はすぐに乾拭きし、扇風機などで風を送って乾燥させるなど、水分が畳に残らないように配慮する必要があります。

掃除の基本は目に沿って


ほうき、掃除機、雑巾掛けなど、畳の掃除はすべて目に沿って行います。
目に逆らって掃除をすると、い草が痛んだり、最悪の場合切れたりしてしまう可能性があります。
さらに、傷がつかなかったとしても畳の隙間にゴミが入り込みやすくなります。
一度入り込んでしまったゴミは取れにくいため、入り込まないようにするためにも目に沿って掃除をする必要があります。

重曹などのアルカリ洗剤はNG


家庭の油汚れやフローリングの皮脂汚れなど、掃除の便利アイテムとしてよく用いられる重曹やセスキ炭酸ソーダ。
一部では畳の掃除でもお勧めされていたりしますが、使用してはいけません。
重曹は油などの汚れは落としてくれますが、い草との相性が悪くシミや黒ずみなどの原因となってしまいます。

粘着式のコロコロは使わない


転がすだけでゴミやほこりをキャッチしてくれる、カーペット掃除などの強い味方、粘着式カーペットクリーナー。
通称「コロコロ」も、畳の掃除に使用するのは厳禁です。
粘着力が強すぎるため、い草を傷つけたりほつれさせたり、毛羽立たせたりしてしまいます。
畳の掃除はほうきや掃除機を使うのが最も有効な方法です。

カビ取り剤や漂白剤もダメ


畳にカビが生えてしまった時に、浴室やキッチンなどで使用するカビ取り剤や漂白剤を使うのもNGです。
重曹やアルカリ性洗剤と同様、畳が変色したり、シミになってしまったりする可能性があるほか、い草を痛める原因になる可能性があります。
畳を長持ちさせるために掃除をしているのに、畳の寿命を縮めてしまうことになりかねません。

ロボット掃除機の使用も控えるのが無難


利便性の高さから人気のあるロボット掃除機ですが、当然のことながら畳の目に沿って掃除をしてくれるわけではありません。
そのため、畳の表面を傷つけてしまったり、ささくれをつくってしまったりする可能性があります。
和紙や樹脂系の畳であればい草に比べて耐久性が高いですが、使っていくと傷がつきやすくなってくるため、結果的に寿命が短くなってしまう可能性が高くなります。

畳が傷ついたり使えなくなったりした場合は

畳の表面が傷ついてしまったり、カビやダニが発生してしまったりした場合は畳の表替えや新調を検討するタイミング。
い草の畳は天然素材ならではの香りや風合い、質感などを楽しめるメリットがあるため、メンテナンス後も使い続けるのももちろんおすすめですが、湿気に弱く傷つきやすいというデメリットも持っています。
特に、機密性の高い最近の住宅で良い状態を保つためには、日本家屋のような住宅以上に掃除に気を遣う必要があります。

そういった場合に検討したいのが、和紙や樹脂を使った畳。
い草の畳に比べて耐久性が高く、カビ、ダニの発生を抑えられるため、総合的に見て寿命が長くなります。
さらに、カラーバリエーションも多く、洋室と隣接していることの多い最近の住宅にもマッチする点が魅力。
畳の交換を検討中なら、ぜひ川田畳製作所にご相談ください。

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●このブログは私が書きました

川田 敦

一級畳制作技能士 川田 敦

畳職人として22年。
祖父の代から続く畳店で育ち、幼少期から畳がそばにある生活を送ってきました。28歳で畳店を継ぐことを決意。一級畳制作技能士の資格持ち、玉藻公園披雲閣など、文化財の畳工事から、一般住宅や賃貸住宅の畳工事まで幅広い仕事の経験を持っています。

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