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畳の大きさは何センチ?地域どころか家ごとに違う畳のサイズを解説

2023.08.02

畳は枚数を数える時は1枚・2枚と数えますが、部屋に敷いた場合は一畳(一帖)・二畳(二帖)と数える方が一般的です。
和室の間取りといえば6畳や8畳が多い印象ですが、どれくらいの広さかと言われるとなんとなく想像はできるものの、数値化するのは難しいのではないでしょうか。
それもそのはずで、実は畳のサイズは地域によって異なります。
そのため、東京と大阪では同じ6畳の部屋でも大きさが違うのです。

では、具体的にどれだけサイズが違うのでしょうか。
また、なぜ、地域によって大きく差が出てしまったのでしょうか。
今回は、畳のサイズについて、詳しくご紹介していきます。

地域差だけでなく、実は隣の家と比べても微妙にサイズが違うなど、畳に関する不思議についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

一畳と一帖の違いってなに?


冒頭で触れた畳の数え方について、一畳と一帖は何が違うのか、疑問に感じている方もいらっしゃるでしょう。
実は、畳も帖も同様に畳1枚のことを言います。
もともと日本の家の床材は畳が主流だったため、何畳の部屋と記した方がサイズが分かりやすかったということもあり「畳」が使われていました。

しかし、近年ではフローリングの部屋が主流となっているため、サイズを平米(㎡)で記している間取りが多くなっています。
ただ、六畳の和室と10平米の洋室を並べてもどちらが広いのか分かりにくいですよね。
これを分かりやすくするためにはサイズの表記を畳、もしくは平米で統一する必要があります。

とは言え、フローリングの部屋に約6畳と記すと畳の文字から和室をイメージしてしまいがち。
そこで「畳」を「帖」とすることで和室を連想しにくくしつつ、統一表記によってサイズ感を分かりやすくしたというのが始まりです。
また、最近ではインターネットや通信手段が発達していますが、ひと昔前はFAXが主流でした。
畳は画数が多く、文字が潰れて読みにくくなってしまうため、画数が少なく分かりやすい帖を用いたとも言われています。

畳のサイズについて


最も一般的な畳のサイズは以下の6種類です。

  1. 京間:95.5cm×191cm
    京都・大阪を中心に西日本で多く見られる規格。本間とも呼ばれる
  2. 四国間:93cm×185cm
    四国地方で多く見られ、全国的にはマイナーな規格
  3. 六一間:92.5cm×185cm
    近畿地方や山陰地方に多く、全国的にはマイナーな規格
  4. 中京間:91cm×182cm
    東海・北陸地方や東北地方などに多い規格。三六間とも呼ばれる
  5. 江戸間:88cm×176cm
    東京を中心とする関東地方に多い。五八間とも呼ばれる、最もメジャーな規格
  6. 団地間:85cm×170cm
    団地やマンションなどの集合住宅に多い規格。五六間とも呼ばれる

上記のように、地域によって畳のサイズには幅があります。
一畳のサイズは京間の方が大きいため、同じ6畳でも大阪と東京では大阪の方が約1㎡も広いことになります。
また、アパートやマンションには団地間と呼ばれるサイズの畳が使用されるため、東京でも大阪でも、同じサイズの畳が用いられます。
そのため、同じ地域なのに一軒家と隣のマンションでも6畳間の広さが違います。

不動産での統一ルールは一畳=1.62㎡以上

  1. 京間:約1.82㎡
  2. 四国間:約1.72㎡
  3. 六一間:約1.71㎡
  4. 中京間:約1.65㎡
  5. 江戸間:約1.55㎡
  6. 団地間:約1.44㎡

上記の通り、一畳のサイズが地域によって異なることは言うまでもありません。
ただの地域差で終われば良いのですが、同じ地域でもマンションと一軒家でサイズが違うとなると話は別。
不動産物件を探していて同じ6畳なのに物件Aは京間で、物件Bは団地間だった場合、まったくサイズが異なってしまいます。
そのため、不動産の表示では、「畳数で記載する場合、1畳=1.62㎡(平米)以上とする」というルールが設けられています。

「以上とする」なので正確な数値は異なっている可能性もあります。
ただ、不動産屋さんは入居者に少しでも部屋が広いと思ってもらった方が良いため、1畳=1.62㎡を基準に計算していると考えてまず間違いありません。

なぜ畳の大きさが違うの?


では、なぜ畳のサイズが地域によって異なるのでしょうか。
これには検地が原因とする説と、家の建て方が異なることが原因とする説のふたつがあります。

検地によって1間のサイズが変わったため

検地と聞いて一番に思い浮かぶのが、豊臣秀吉が行った太閤検地ではないでしょうか。
家の1坪は1間四方で、畳の長辺とほぼ同じになります。
しかし、1間のサイズが6尺5寸だったものを、秀吉の太閤検地によって6尺3寸に縮められました。
さらに、江戸幕府はこれを6尺に縮めてしまったため、地域ごとの1間に誤差が生じてしまいました。

建築の考え方が違ったため

もうひとつは、関西と関東で住宅の建て方に関する考えが違うためという説です。
関西では家を建てる時「畳に合わせて柱を組む」方法が一般的。
「畳と家具を持って引っ越しをする」という言葉もあるくらい、畳を中心に家が建てられていたそうです。

一方、短期で人口が増え、住宅の需要が急増した江戸周辺は、柱の中心と中心を1間(6尺)とする柱割りが主流。
家を建て、部屋のサイズに合わせて畳を作るため、1畳が約1間となる江戸間は、柱の太さの分だけ京間に比べて小さくなったと言われています。

畳の歴史と規格の始まりについて

畳は平安時代から座具や寝具として用いられていました。
もともと床の間に1枚だけ敷き、ベッドのように使用する、今で言うところの置き畳のような使用方法が一般的でしたが、畳のサイズは決められておらず、依頼する職人や貴族によって異なっていたそうです。

鎌倉時代に書院造りの建築が主流になったことにより、畳を部屋中に敷き詰めるようになりました。
以降、現在の京間のサイズと同じ1畳を6尺3寸(191センチ)×3尺1寸5分(95.5センチ)とする京間が生まれました。
京間が今までこのサイズを受け継いできた一方で、1間のサイズが変わったことや家の建築方法、畳に対する考え方などの違いによって地域差が生まれるようになりました。

西日本では団地の広さが狭く感じる


日本が高度成長期に入り、全国各地でアパートやマンションなどの共同住宅が建てられました。
アパートの六畳間に統一規格はないものの、1.7m×0.85mを1畳とし、6畳間を約8.67㎡とするものが多く建てられました。
一般的には縦の長さが5尺6寸となることから、団地間は五六間とも呼ばれます。

西の本では京間が主流であり、六畳間の広さは約10.94㎡あります。
一方で、団地間はその約8割にも満たない広さしかありません。
それどころか、京間の6畳は団地間の8畳に近い広さです。

実家の六畳間が広く感じたのは壁に仕切られた閉鎖的な空間だったからではなく、実際に部屋の広さが狭くなっているためです。

昨今の畳サイズはメーカーによっても違う

ひと昔前であれば、四国の家の和室はほとんど四国間の畳が使用されていました。
しかし、昨今では全国展開しているハウスメーカーが増えていたり、パソコンでソフトを使って設計をしたりするため、近年の住宅は昔に比べて「地域差」が少なくなっています。
その分、メーカーや、使用しているソフトの設定による違いが出てくるため、同じ地域でも家を建てる業者によって1畳のサイズが違うことが多くなっています。
新築の和室や畳の入れ替え、表替えなど、さまざまな依頼でご自宅にうかがいますが、昔以上に1畳のサイズが異なる家が増えています。

ホームセンターの畳はどのサイズ?

ホームセンターやインターネット通販で売られている畳のサイズは、京間、もしくは江戸間がベースです。
四国間の和室に京間の畳を持ち込んでも入りませんし、江戸間の畳を持ち込むと大きく隙間ができてしまいます。
とは言え、全国的には京間や江戸間が主流なので、四国間の畳は一般的には販売されていないと考えて間違いないでしょう。

置き畳はフローリングに敷いて使うことをメインとしているため、多少サイズが違っても影響は少ないはず。
しかし、家具などの関係で部屋のサイズにピッタリ合わせたい場合や、もともと置き畳を枠内に敷き詰めて使用している場合は、畳のサイズを合わせなければ、枠内に収まらなかったり、反対にぶかぶかになってしまったりする可能性があるので注意が必要です。

畳屋に頼めばサイズを合わせてくれる?


最近は畳のサイズが多様化していますが、ベースとなるのは、江戸間、京間、団地間の3種類です。
一方で、四国であれば四国間の畳が使われている家もたくさんあるため、張り替えの際、
「今までい草の畳を使っていたが、最新の畳に入れ替える場合は特注の料金になるのか?」
といった疑問を抱かれる方も少なくないようです。

そういった方には詳しくご説明しているのですが、畳屋は畳の張り替え用にたくさん畳の在庫をストックしているわけではありません。
実は、すべての畳がオーダーメイドで、部屋のサイズに合わせて作っています。
だから、古い家で、四国間のい草畳を最新の和紙畳などに置き換える過程で「規格が古い時代のものなので料金が高くなる」ということはありません。
また「特殊なサイズなので対応できない」ということもありません。

川田畳製作所がご自宅にぴったりの畳をご用意します

もし、畳のサイズによって「張り替えができるか」「料金が高くなるのか」など、気になっている場合はご安心ください。
畳の張り替えや入れ替えでかかる料金は材料費や出張費などの実費であり、ご自宅で使われている畳のサイズはまず影響しません。
また、四国間や京間、あるいはまったく他と異なる特注サイズであれ、畳屋が行う作業は変わりません。

まずはご自宅に伺い、畳の寸法を調べること。
そして、寸法に合わせたピッタリサイズの畳を作ることです。

特に建物は年数とともに歪みが出ることもあり、場合によっては部屋の形が微妙に台形のようになっていたり、規定に比べて数ミリの大小があったりします。
そんな時も、お部屋のサイズにピッタリ合う畳を作って納品させていただきます。
そのため、畳の大きさなどは特に気にせず、お気軽にお問い合わせください。

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●このブログは私が書きました

川田 敦

一級畳制作技能士 川田 敦

畳職人として22年。
祖父の代から続く畳店で育ち、幼少期から畳がそばにある生活を送ってきました。28歳で畳店を継ぐことを決意。一級畳制作技能士の資格持ち、玉藻公園披雲閣など、文化財の畳工事から、一般住宅や賃貸住宅の畳工事まで幅広い仕事の経験を持っています。

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